『マトリックス リローデッド』
ついにA.I.の総攻撃が始まった。 センティネルの大軍が、人類最後の都市ザイオンを襲うまで、72時間。 救世主ネオは再びマトリックスに乗り込み、予言者(オラクル)の助言に従ってキー・メイカーを探す。 しかし、真実に近づけば近づくほど、悪い予感がネオの心を苦しめていた──観客が何を期待しているのかっていうことをよく分かっていて、その期待を裏切らない。 簡単なようで難しいよねこれ。
この映画の場合はこれでもかっていうくらいのアクション。 出し惜しみしない、過剰なまでのアクションは、いきすぎて笑っちゃうほどでもあるんだけど、 要所要所の決めカットでスタイリッシュに締めている。 アクションシーンでは、止め絵のカッコ良さって重要なんだよね。
キアヌが今回本当に強そうなのも凄い。 スッと立っているだけでも“達人”の雰囲気を醸し出しているので、その後の戦闘が楽しみになる。 テンションがあがった状態でアクションが見られる。
対照的に、ザイオンのシーンが退屈っちゃ退屈なんだけど(祭りのシーンとか要らないでしょ)、 そんなものは吹き飛ばすだけの勢いを、間違いなく持った映画だと思います。
完結編の『Revolution』が楽しみ。
以下ネタばれです。
キー・メイカーが最高に可笑しい。
ランダル・ダク・キムと言う役者さんが演じているらしいので、あえて木村さんと呼ばせていただきたい。
メロビンジアンの館からさっさと逃げだす木村さん!(意外と足速い)
トリニティと一緒にフリーウェイを疾走する木村さん!
“ソース”へと通じる廊下で、死闘を繰り広げるネオたちを横目にひとりでドアまで辿り着く木村さん!
何も考えていないようで変にカッコいいような台詞を吐いたりする木村さん──ぼくらはその雄姿を忘れない。
まあ、きっと、あのキャラは複雑な感情のない、ある目的だけのために作られた“プログラム”であることを表現しているんだとは思うんだけど、とにかく可笑しいよ、木村さん。ああ笑った。
“目的”を重要視するネオたちに対して、“理由”と“結果”を重んじるメロビンジアンたち。 哲学的な台詞でもあるんだけど、メロビンジアンは、 “プログラム”だからこうなのかなという見方もできて面白い。 人は“目的”のために行動を起こすけど、コンピューターは条件によって何かを実行するだけだから、 あのへん分かりにくいけど、一応メッセージが込められているんだろうね。
ラスト間際、“現実”でも能力を開花させ、センティネルを食い止めるネオ。 あれは、モーフィアスたちが“現実”と信じてきたザイオンも、実はマトリックスの一部である── というか、マトリックスは多重構造になっているという展開への伏線と見ましたよ。違うかな。
『マトリックス リローデッド』
監督:ラリー・ウォシャウスキー&アンディ・ウォシャウスキー/主演:キアヌ・リーヴス
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