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『虹の天象儀』(瀬名秀明)

 ナンシー関が死んじゃったら 記憶スケッチアカデミーの、 あの絶妙な辛口コメントを誰が書くのさ。……惜しい人をなくしました。 このページはなくなっちゃう前に見といたほうがいいっすよ。
 で、なんで記憶スケッチの話かというと、お題が『プラネタリウムの投影機』だったら絶対 書けねーな、とか思ったからです。  正解はこのへんから辿ってください。
 東京・渋谷の五島プラネタリウムが、四十四年の歴史に幕を降ろした。 そしてその翌日、投影機を片付ける私のもとに、ひとりの少年があらわれた。
「古い機械を動かすと、昔にタイムトラベルするような気がしない?  吸い込まれそうになったことはない?」
 私は、投影球に触れた。レンズの世界に自分が吸い込まれてゆくのを感じた──
 プラネタリウムの投影機なんて、 随分長い間 形を思い浮かべたことさえなかったけど、 確かに不思議で独特でカッチョいいデザインだよなと思わされました。 機能美の極めてああいう形になってるというのが面白いです。 この本の最初のほうにある、図解を見るだけでも楽しめるかも。
 『パラサイト・イヴ』の瀬名秀明なので、理系なSF話かな、と思われそうですが、 この話はどっちかっつーと純文学系ファンタジー。 織田作之助という作家の『わが町』という作品をキーとした不思議な話です。 つっても、全然知らんのでちょっと感情移入度的にはイマイチかな。 ここだけなんかもうちょっと分かりやすいものだったら良かったのにってな気はします。

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