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『完訳 封神演義 中』(許仲琳 編)

 「とどめだっ!」とか言いながら、身体のどこか一箇所を刺すとしたら、どこを刺しますか?
 いきなり物騒な質問でなんですが、まあ普通は胸とか腹とか頭とかを選ぶのではないかと思います。 それが、この話だと何故だか「脇下を刺して息の根を止めた」なんて描写が至るところにあって、変な感じ。 で、一応調べてみたところ、脇下というのは人体の急所のひとつで、 剣道でも「脇構え」という、相手の脇下を狙い打つ構えがちゃんとあるんだそうです。 くすぐるわけじゃないんだ。

 以下ネタバレ。
 ヨウセン(ヨウゼン)登場。強すぎです。太公望より主人公の素質がある気がするのですが、 その実力を妬まれたのか(?)、食料補給係にされてしまいます。なんだかなぁ。 常にヨウセンかナタを先鋒として戦ってたら負けなしなんじゃないかと思うのですが。
 しかしこの巻で一番ヒドイのは燃灯道人かもしれません。 次から次へと十絶陣に凡人を送り込んでは殺し、送り込んでは殺し。その姿は悪鬼のようです。 わかってやってるぶんナタより性質が悪い気がするのですがどーですか。
 どうでもいいけど、「脳漿を流して死ぬ」人も多いんだよね……。よく人の死ぬ話だ。

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