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『スカーレット・ウィザード5』(茅田砂胡)

 作者によると「SFふうハーレクイン・ヴァイオレンス・ロマンス」というジャンルらしいのですが、 「スペースオペラふうアクション・ラブコメ」ってところじゃないのかなぁと思っているシリーズの最終巻。
 最終巻なのであらすじは省略して、ひとつだけ感想かいておくと、この作品ならいくらでも外伝が書けそーだ、ってことです。 ぼくが書くんじゃないすよ。
 ストーリーとしてはちゃんと完結してるんだけど、その他に読みたい場所がたくさんあるっつーか。 キャラが面白いからだと思うのですが、まあ、あんまりやるとアニメっぽくなっちゃうのかな。 いまでも充分アニメっぽいけど。
 あとはネタバレ。
 ジンジャーもクライストも、この巻のこのクライマックスのための配役だったのか、という感じ。
「よくぞ捨てずに取っておいたもんだ」
 とはよく言ったもんです。グランド・セヴンなんてのまで出てきたし、賑やかだなぁ。
 で、オールスター登場のあとで大ボスを倒すわけですが、黒玉からの脱出シーンはベタすぎじゃぁないかと。 敵の本拠地で親玉を倒したら爆破されるに決まってるんだと、ケリーとジンジャーに説教したい気分です。
 まあ、そこもお約束どおり脱出してきたわけですが、本当のクライマックスはそのあと。 そーう来ましたか、と、いう感じ。
 一巻からバンバン伏線はりまくってたので、気づかないほうがどうかしてるのかもしれないけど、 殺しても殺しても殺しても死にそうになかったので、まんまと騙されてしまったというか。
 ジャスミンが目を覚ますまでを描いて欲しいという意見もあるかとも思うけれど、潔いラストだったと思います。
 数年後、数十年後かもしれないけど、目覚めたジャスミンが最初にいう言葉は── っていうのを考えるのも、面白いんじゃないでしょうか。

『グリーン・デスティニー』

 「前門の虎、後門の狼」って言葉は「一つの災難から逃れたと思ったら,別の災難に遭うこと」なんだそうで。 てっきり「挟み撃ちにあって困った」状態のことかと思ってたのですが、一応調べてみてよかったなぁ。
 で、なんで突然そのことわざかというと、この作品の原題が『臥虎藏龍』だから。 ちょっと雰囲気にてるでしょ。 こっちの言葉の意味は、「表面的な顔の下にあるもうひとつの顔を表したたとえ」だそうです。

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『幻色江戸ごよみ』(宮部みゆき)

 私事で恐縮ですが、今日はいろんな人のいろんな話を聞いて、やる気のあるひとの熱に打たれて、 がんばろうと思いました。
 うまく行かないことばかりだし、頑張っても報われないことも多いけど、  それでもその頑張りだとかやる気だとかは、必ず誰かに影響を与えて、次につなげることができるんじゃないかと。
 そんなことを、この作品の中の何人かの登場人物にも言ってあげたいなぁなんてマクラは強引ですか? そうですか。
 火が出たのは師走の二十九日の夜、伊丹屋の誰もがぐっすりと眠っている時刻だった。 火事だ! という大声におとよは寝床から跳ね起きたが、おかつのほうはゆすぶって起こしてもまだ寝ぼけ顔という有様だった。 おとよはおかつを怒鳴りつけ、声のする方向へ走った。 そして、仏間にかけつけた面々の頭上で、ぱちぱちとはぜるような音をたててもえあがっているものを見つけたとき、 おとよは、口が開きっぱなしになってしまうほどに驚いた。 燃えているのは、神棚だった。
 これが最初の作品『鬼子母火』。他に『紅の玉』『春花秋燈』『器量のぞみ』『庄助の夜着』『まひごのしるべ』 『だるま猫』『小袖の手』『首吊り御本尊』『神無月』『侘助の花』『紙吹雪』の12編が収録されています。
 ハッキリ言って全体のイメージは暗め。読んで幸せになるとは言えない話が多いんだけど、 だからこそ、最初に言ったようなことを考えてしまうというか、何かを見つけてあげたくなる。
 こうも感情移入してしまうっていうのは、きっと人物のリアリティ、生活のリアリティのせいで、例えばこんな下り。

それなりに愛着のわいたその部屋に、ぎんはゆっくりとあがっていった。 梯子段はいつものように五段目のところできしみ、ぎん独りしかいない家のなかに、大きな音を響かせた。

 「まるで見てきたような」なんてことはよく言いますが、これなんかは まるで生活してきたよう。 こういう何気ない文章によって登場人物たちが生きていることを感じ、感情移入してしまうのかな。
 ま、ハッピーエンドのほうが断然好きなんですけどね。

『完訳 封神演義 上』(許仲琳 編)

 仙人ってどんな人?と訊かれたら多分ほとんどのひとが
「山奥とかに住んでて、カスミ食って生きてる、徳のある偉い人」
 ってな答えを返すんじゃないかと思うのですが、じゃあ知ってる仙人の名前を一人あげてみて? と訊かれたら多分ほとんどのひとが
「亀仙人」
 と答える気がします。徳あるのかなぁ。
 もっとも、この本を読む限りだと、本場・中国の仙人も何考えてるんだかよくわからないようですけど。
 紀元前11世紀の中国。 殷の天子である紂王は妖妃・妲己の美しさに溺れ、暴虐の限りを尽くして国中を恐怖に陥れていた。 一方その頃、西岐では新たな王が生まれていた。徳を備えたこの王こそ、次代の天子となるべきものである。 天数は定まった。 西岐軍は、命を受け人界に降りてきた太公望・姜子牙を軍師に迎え、 打倒紂王のために立ち上がった──
 『西遊記』『水滸伝』と並んで「中国三代奇書」なんて呼ばれているらしいこの本、「奇想天外」という言葉がピッタリくるお話。 まあ、『週間少年ジャンプ』で藤崎竜が連載してたマンガが有名なので、あんまり説明する必要もないかなって気がしますけど、とにかく仙人や妖怪がたくさん出てきて、仙術やら妖術やらを駆使して戦います。で、何がすごいって、時代が古いのがすごい。中国っていう国は紀元前11世紀というとんでもない昔に、これだけの文化を築いていたんだなぁと思うと呆れるくらいです。「後の〇〇菩薩」なんて人物が出てくる話なんて、そうそう書けるもんじゃないっすよ。
 まあそのくらい古い話なんで、なんか納得いかんところもたくさんあるし、登場人物は多すぎるし、万人にはオススメできないけど、中国の神話なんかが好きな人には面白いかなぁという感じです。
 以下はネタバレ。というか、なんかすごいと思ったところ。

 主人公である太公望・姜子牙が俗界に降りてくると、かつての友人がいろいろ世話をしてくれます。 住居をあたえ、食べ物をあたえ、嫁さんまで紹介してくれるという親切さ。 しかしその次の台詞にひっくりかえりそうになりました。
「才色兼備で賢弟にふさわしい。私の義妹でもある。六十八歳の生娘だ」
 六十八の……。いや、なんつーか、自分の若さを思い知りました。

 紂王の昏君(フンチュン──暗君、バカ殿の意味)っぷりが本当に酷いのですが、 笑ったのが趙啓ちょうけいの諫言。 1ページに6回も「昏君」言ってます。子供のケンカみたい。バーカバーカ。(←お前がバカ)

 ナタ(漫画だとナタク)がヒドイ。悪役だよおまえ。

買い物の手順

 問:以下にしめす買い物の手順は、出題者が今日、実際におこなった手順である。
   この中にはある重要な行動が抜けているが、それは何か。答えよ。
  1. スーパーに入店する。
  2. 買い物カゴを取る。
  3. 品物を選んでカゴに入れる。
  4. レジでお金を払う。
  5. 外に出る。
 答:スーパーの買い物カゴを持ったまま外に出ている。
   しかもそのまま20mほど歩いている。

   考え事してたんだよっ! (ハズカシー)

達人

 何事も達人の域まで達すると「考えるより先に身体が動く」などと言いますが、 ついに ぼくもその境地まで達したようです。
 今日のこと。
 冷たいものでも飲もうと自販機へ向かったぼくの目に見慣れないものが飛び込んできました。
 新発売のお茶。
 ガコン。
 気が付いたときにはボタンを押していました。
 取り出し口にはアツアツの お茶の缶が。
 なんの達人ですか。

段飾り

 ふと、ひな飾りってのは何段飾りまで存在するのかが気になって、とりあえずGoogleで調べてみました。
 十段飾り
 十一段飾り
 十二段飾り
 十五段飾り
 この辺が限界でしょうか。
 まあ日本の住宅事情を考えると、十段でもかなり困っちゃうくらいデカイような気がします。
 とは言っても人形メーカーとしてはできるだけデカイのを売りたいだろうし、 伝統工芸という壁を乗り越えて、新しいひな飾りを考える技術者もきっとどこかにいるはずです。

「部長! せまい家でも大きな雛飾りを置けるアイデアを考えました」
「ふむ」
「これです。名づけて『エスカレーターひな壇』」
「おお」
「五段分のスペースで十段分の雛人形が飾れます」
「しかし消えるときに逆さになるのが不気味だな」
「う……。じ、実は、もうひとつあるんです。『らせん階段式ひな壇』」
「おお」
「狭いスペースを最大限に生かしました」
「これはどこから見るんだ。部屋の真中に置くのか」
「あ」

 伝統の壁は厚いようです。

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