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『ハイペリオンの没落』(ダン・シモンズ)

 どこでもドア~!によく似たもので、〈転移ゲート〉というのがこの作品には出てきます。 どこでもドアと違って、あらかじめ設定した場所同士でしか〈転移〉できないという制約はあるものの、使われ方が面白い。 金持ちの住居なんかに使われていて、あちこちの惑星に点在する部屋を〈ゲート〉によるドアで結ぶ、ということをしています。 つまり、玄関は地球にあるけど応接間は火星、居間は金星で寝室は月……みたいな家ができあがるということ。 意味分かんないけどダイナミック。部屋ごとに全く違う景色が楽しめるというワケです。 土星の輪っかの上にトイレを立てることもできるのですよ。なんてロマンチック。
 戦争が始まった。FORCEの無敵艦隊が次々に転移を開始する。出撃先は辺境惑星ハイペリオン。 謎の遺跡〈時間の墓標〉と殺戮者シュライクを擁するこの星は、 いまや対アウスター戦の重要な拠点として、全連邦の注目を集めていた。 また政府は、超予測能力を持つAI群〈テクノコア〉の助言を受け、過剰なまでの戦力をハイペリオンに集結させていた。 一方、そのハイペリオンでは、 アウスターに先駆けて〈時間の墓標〉の謎を解明するという使命を帯びた巡礼たちがこの遺跡を訪れていた。 そして様々な困難に立ち向かう彼らの姿を、遠く離れた連邦の首星タウ・ケティ・センターから見ている男がいた──。 巡礼たちの姿を夢に見る、彼は一体何者なのか? 〈時間の墓標〉が開くとき、そこで明かされる真実とは──
 すごいわ~。ちょっと──いや、かなり分かりにくい話ではあるんだけど、 前作『ハイペリオン』で張られていた伏線がバリバリと収束されていく様が気持ちいい。
 話の進め方も上手くって、カッサードの闘いにハラハラしてるといきなり場面が変わったりする。 おいおい、いいからさっきの……と思ってると新しい場面でも重要な局面を迎えてたりして、もう大変です。
 まあ、正直言うと理解不能なところも山盛りだったので(雲門との会話とか……)、 もうちょい分かりやすいと本当に大満足できたような気がするんですが、 SFとかスペースオペラの長編を読むのが苦にならなければ、一度は読んでみていいのでは?
 以下ネタバレ。
 この作品の感想をどうしようかなーと考えてたときに見つけた記事。2001年8月18日の日経新聞から引用します。
 シャープの芥子育雄システム開発センター技師長捕(43)が作ったコンピュータ「リッキーくん」。 この機械は「学習する」。
 まず二万の言葉をリッキーに入力。次に二年分の新聞などを半日かけて読み込ませる。 すると最初の二万語を基に、新聞に出てくる言葉の意味を類推、自動的に二十万語を覚えた。 日本人の平均語彙(ごい)数は十歳児で約二万語、成人で約五万語。リッキーはわずか半日の学習で、 ヒトの一生分を上回る言葉を自ら学び取ったことになる。
 すっげー。 ここで言う「学習」がどのレベルのものなのか分からないけれど、 このスピードで学習をする機械マキナが既に存在してるってのは 何か恐ろしいくらいです。 それでも、テクノコアのような超予測はありえないと思うけど、でもなぁ。

 なんとなくメモしておきたい、「デウス・エクス・マキナ」という言葉。 「古代の演劇で、唐突に宙吊りの乗り物に乗った神が現れ、急場を解決してしまうこと── 転じて、難問の回答を安易に神にゆだねてしまうこと」だそうです。はあ。ラテン語ですかね?  秋津透のある作品を思い出しました。続編はどうなっているのかな。

 レイチェル/モニータとソルの最後の台詞、 「シーユー・レイター、アリゲイター!」 「インナ・ホワイル……クロコダイル」  にはやっぱり泣かされてしまう。映像的にも光に包まれたレイチェルは絵になりすぎです。

 最後に妙にいい人になってるサイリーナスが可笑しい。
「小生にとって、おまえさんはこれからもずっと、空中を歩ける存在だ」
 ピーターパンに連れられて空を飛んでたブローンが、いつのまにかピーターパンに。 そうするとサイリーナスがウェンディかよってな話にはなって気持ち悪いですけれど。 最初はあんなにうっとおしい奴だったのに、最後にちゃっかりいいキャラになってるあたり、ずるいなぁ。

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