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『伯爵夫人は超能力』(ドロシー・ギルマン)

 超能力欲しいです。ちょっとしたやつでいいです。 例えば念動力サイコキネシスなんて使えると嬉しい。 数グラムのものしか動かせなくても構いません。液体しか動かせないとかいう条件つきの能力でもオッケー!
 ──てなことを、残り少ないシャンプーのポンプをシュコシュコしながら考えるのでした。買わなきゃ。
 マダム・カリツカには、超能力があった。 誰かの所有物をその掌に乗せると、相手の性格、過去、そして未来までを見とおすという、 千里眼クレアボワイヤンスの能力。 ある日、不思議な夢を見た彼女は、その夢の通りに店を開く事にした。 「読み、承ります」の看板を見て最初に訪れた客の名はアリスン・バーレット。 早速「読み」を行ったマダム・カリツカは、彼女の身が危ないと警告を与えるが──
 いかにもドロシー・ギルマンの書く人物らしい、行動力のある女性が主人公のお話。 まあ、小説の主人公なんて大抵 行動力がないと務まらないのですが、 なんだかギルマンの描く人物はそれが特に際立つ気がします。 なんでかなぁと考えてみたのですが、みんなすごく普通っぽいからじゃないかという結論に達しました。 このマダム・カリツカなんて、超能者のくせに、何故だか、 近所にいる世話好きのオバサンみたいな印象のほうが強い。 そのオバサンが起こす行動だから、より意味があるのじゃないかななんて思いました。
 で、この小説。キャラはいいんだから、もうちょっと、伏線張りまくりの大きな事件が起こってくれたりしたら もっと面白かったんじゃないかなぁとか思ったりするのですがどうでしょか。

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