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『ループ』(鈴木光司)

 いま
♪スースー フーフー ウナクールー かゆいの取っちゃうぞー(ウナー!)
 という歌がループしています。困った。
 世界は恐怖に包まれていた。転移性ヒトガンウイルスの蔓延──二見秀行もまたこの不治の病と戦う一人であった。 秀行の息子・馨は治療法を求め医学の道へと進んでいたが、 ある日、このウィルスと、父がかつて研究していた人口生命「ループ」との間に奇妙な符合を見つける。 これは「ループ」が現実を忠実に再現した結果なのか? あるいは──
 『リング』『らせん』に続く貞子シリーズ(?)の第三弾。 一作目のあとの二作目には吃驚させられたけど、免疫があったせいか今回は意外性うすいです。 いや、驚かせるとか怖がらせるとか、そういう話じゃなくなってるような気もしますけど、 重要な謎のひとつが、僕でも分かってしまう謎だったっていうのがちょっと残念かなーという気がしました。
 以下ネタバレ。
 なんでタカヤマが降臨するとリングウィルスを防げるのかっていう理屈がよく分かんないのですが……。 ループ界に降臨したタカヤマにはその遺伝情報は伝わってないはずだし、そしたら普通のタカヤマとあんまり変わらないような。 あ、そういえば前作で高山がDNAに暗号をしこむことが出来た謎も結局謎のまま。 すっかりホラーじゃなくなってしまったので、いろいろ細かいところが気になります。
 最大の謎・貞子出生の秘密はまだ明かされてないので、『バースデイ』も読まなくちゃ。

『伯爵夫人は超能力』(ドロシー・ギルマン)

 超能力欲しいです。ちょっとしたやつでいいです。 例えば念動力サイコキネシスなんて使えると嬉しい。 数グラムのものしか動かせなくても構いません。液体しか動かせないとかいう条件つきの能力でもオッケー!
 ──てなことを、残り少ないシャンプーのポンプをシュコシュコしながら考えるのでした。買わなきゃ。
 マダム・カリツカには、超能力があった。 誰かの所有物をその掌に乗せると、相手の性格、過去、そして未来までを見とおすという、 千里眼クレアボワイヤンスの能力。 ある日、不思議な夢を見た彼女は、その夢の通りに店を開く事にした。 「読み、承ります」の看板を見て最初に訪れた客の名はアリスン・バーレット。 早速「読み」を行ったマダム・カリツカは、彼女の身が危ないと警告を与えるが──
 いかにもドロシー・ギルマンの書く人物らしい、行動力のある女性が主人公のお話。 まあ、小説の主人公なんて大抵 行動力がないと務まらないのですが、 なんだかギルマンの描く人物はそれが特に際立つ気がします。 なんでかなぁと考えてみたのですが、みんなすごく普通っぽいからじゃないかという結論に達しました。 このマダム・カリツカなんて、超能者のくせに、何故だか、 近所にいる世話好きのオバサンみたいな印象のほうが強い。 そのオバサンが起こす行動だから、より意味があるのじゃないかななんて思いました。
 で、この小説。キャラはいいんだから、もうちょっと、伏線張りまくりの大きな事件が起こってくれたりしたら もっと面白かったんじゃないかなぁとか思ったりするのですがどうでしょか。

『スカーレット・ウィザード1』(茅田砂胡)

 なんで宇宙海賊は「海」賊なんだろうってなことを考えたりしたんですけど、どうすか?  宇宙船に乗ってるから?
 人類は、《門》ゲートの発見によって、 宇宙における版図を急激に拡大していた。 遠く離れた宇宙を一瞬で結ぶ《門》は人類にとって必要不可欠なものとなり、 一攫千金を夢見て《ゲート・ハンター》になるものは後をたたなかった。 そして、そのゲート・ハンターや他の船乗りたちから、畏怖を込めて 「海賊達の王キング・オブ・パイレーツ」と呼ばれる男がケリーである。 そのケリーのもとに、奇妙な依頼が舞い込んだ。 依頼人は、あの、共和宇宙一の巨大財閥クーアの女王・ジャスミン=クーア。 依頼内容は、彼女と一年間結婚をするということだった。 流儀じゃないと断るケリーに、彼女は強引な賭けを提案してきた。それは──
 やっぱりキャラが面白い!  大真面目にボケてくれるキャラクター達と、それに対する周囲の突っ伏し加減、盛大にため息をつき加減、 ぴしゃりと額を打ち加減が実に茅田砂胡節です。
 ケリーの設定は『コブラ』(寺沢武一)みたいな感じ。 一匹狼の宇宙海賊、美人(?)の相棒、肉体の一部を機械化──ってあたりが似てるかな。 一方ジャスミンは──やっぱり『デルフィニア戦記』(茅田砂胡)のリィかなぁ。 こんなことキャラ本人に言ったら殺されるかもしれないけど、リィとイヴンのカップルって感じかも。
 『デルフィニア戦記』大好きって人とか、高千穂遥みたいなSF(スペース・オペラ)大好きって人とか、 小説はキャラの魅力がないとねって人なんかには安心してオススメできます。
 以下はネタバレ。
 意外なところで意外な名前。ラー一族ファミリーズ!?  まさかこの話でその名前が出てくるとは思いませんでした。惑星の名前はやっぱりアレですか?
 それから、笑ったのがジャスミンがビルを真っ二つにするシーン。
「またつまらぬものを斬ってしまった」
 とか言うんじゃないかと期待したのですが無理でした残念。

かなしばり

 昨日「百物語」について巫山戯たことを書いたのが悪かったのでしょうか。 恐ろしい体験をしました。

 朝方、ふと枕の横に気配を感じました。
(あれ? 今日実家に帰ってたんだっけ? 旅行来てたんだっけか?)
 まだ頭がうまくはたらきません。愚図愚図と目を覚ませずにいる間に、そいつは身体の上にのしかかってきました。 小声で何か歌を歌っています。
(誰かふざけてるのか……? いや、違うな。まさか、鍵を閉め忘れて──)
 それでも目を開けられずにいると、そいつは、馬乗りになって首を絞めて来ました。
(やばい──!)
 恐怖に突き動かされ、気力を振り絞って目を開けてみると、そこには誰もいませんでした。

 どうも実感が湧かないのですが、これは所謂「かなしばり」というやつだったのでしょうか。
 あとで思い返してみて一番恐ろしかったのは、彼の歌っていた歌が──
「テテッテッテテッテッ」
 スーパーマリオのテーマだったことです。
 実話なんだけど自分でもそう思えない。

巷説こうせつ百物語』(京極夏彦)

 日が没してより後、暗い部屋に篭もり百本の蝋燭に火を灯す。 一人ずつ順に怪談を語り、一つの話が終わる毎に一本の蝋燭を吹き消す。 百の物語を終えて最後の蝋燭を消すとき、恐ろしい事が起こる──
 ってのが所謂「百物語」ですが、これってよく考えるとすげー大変。 まず怪談を話せる人を百人集めなきゃならない。しかも、話が かぶっちゃいけない。 要領良く話して一人三分のペースをキッチリ守ったとしても五時間かかる。 もし一人あたり五分の時間をかけてしまったら八時間以上かかるわけで、夜明けちゃうじゃんみたいな話になるわけです。
「コホン。では妖怪ぬらりひょんの話を……」
「馬鹿、それさっき出たよ。お前寝てたろ」
「うそ!? ちょ、ちょっと待って。いま他の考える」
「早くしないと朝になっちゃうだろ! ──もういい。お前さき話せ」
「ええ!? えっと、うんと、皿割って怒られた女の幽霊が夜な夜な皿を数えに現れるんだって。怖いよね」
「終わりかよッ!」
 こんな状態でも成立するんでしょうか。全然怖くなさそうですが。

 前振りが長すぎました。
 時は江戸の世。闇は深く、あやかしの影が跋扈する。 小豆洗い、白蔵主、舞首、芝右衛門狸、塩の長司、柳女、帷子辻……。 人の法では計れぬ何かがあるところに、彼らは現れる。 事触れの治平、山猫廻しのおぎん、考物の百介、そして小股潜りの又市。又市の鈴が鳴る。
「御行奉為したてまつる──」
 まあ言ってみれば必殺仕事人みたいな話なんだけど、 京極堂シリーズ同様、妖怪に関する話を巧みに織り交ぜた複雑なものになってます。 京極堂が憑き物落としなら、差し詰め又市は憑き物憑かせといったところでしょうか。
 どれもよくできていて面白いんだけど、中でも最後に収録されてる 『帷子辻かたびらがつじ』は強烈。
 最初に又市が出てきたとき、どっかで見たなぁと思いながらも思い出せなかったのですが、 『嗤う伊右衛門』に出てきた又市と同一の人物ですね。 困った事にこれも読み返してみたくなってきた……。
 この本に収められているのは七作の物語ですが、これ百まで書いてくれるんでしょうか。書いてくれ。
 そしてどこかで呑馬術というやつを見せてくれ。できれば前からと後ろからで二回見てみたいです。

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