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『キリンヤガ』(マイク・レズニック)

 キリンリキっていうポケモンがいるのですが全然関係ないですごめんなさい。
 時は22世紀。 アフリカの部族キクユの民は、地球を離れ、ある惑星へ移住することを決めた。 欧州の文化によって変貌してしまったケニアには、もうキクユの居場所はない。 失われたユートピア「キリンヤガ」を築きあげるべく、彼らは再び伝統的な生活を営み始める──
 ってな感じのストーリー。 キリンヤガを「正しい方向」へと導く 祈祷師ムンドゥムグ コリバの一人称で、歴史が静かに、しかし確実に変わっていく様が語られます。
 いくつかの小編が積み重なって一つの物語になっている形式なのですが、 中でも『空にふれた少女』が特に印象的でした。
 変わらない生活にユートピアを見いだすコリバの思想。 ある一面では非常に正しいとは思うものの、人間というのはそうじゃない、 変わっていく生き物だからこそ人間たりえるのではないかなぁなどと 分かったような分からないような事を考えさせられる作品でした。
 なんだかこの感想だとややこしい本みたいですが、実際は読みやすい本なので良かったらどうぞ。

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